最近の消費税増税をめぐる政府・与党の混乱を見るにつけ、
改めて「政治のリーダーシップ」とはどういうものかなのか考えていたところ、
「政治主導〜官僚制を問いなおす」(新藤宗幸著:ちくま新書)に出会いました。
著書の最後で先生は、
「政治主導」の確立に問われる論点を提示されています。
そして、『政治家とりわけ政権を奪取した政権党に問われるのは、
たかい「政治的倫理性」であり、これは政治とカネといったレベルの問題ではなく、
政治改革に向けて意志と意欲を持続することである』と述べられたうえで、次の文章に続きます。
『政治とはしょせん「魔物」の棲家であり、
それゆえに固い岩盤にドリルで穴を開けて一定の展望を切り拓く作業である。』
この文章を読んだ時に、同じようなことを誰かが書いていたことを思い出しました。
そうです。
マックス・ウェーバーの名著「職業としての政治」の中に、次の文章がありますよね。
『政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら、
堅い板に力をこめてじわっと穴をくり貫いていく作業である。』
やはり、古今東西、時代や国は違っていても、
「政治」というものは、「忍耐のいる作業」であることは、けだし真実のようです。
そして、その忍耐に堪えつつ、国民に夢と希望を提示できるのが、
「政治のリーダーシップ」であるのではないでしょうか?
消費税増税の衆院採決の日に、新藤先生の著書を読了し、このような結論に達しました。
- 作者: 新藤宗幸
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2012/02
- メディア: 新書
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