しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

経済政策と幸福度

日本経済研究センターが、小峰隆夫研究顧問の
「幸福度を測る(中)〜経済政策と幸福度について考える」というレポートを公表しています。

内閣府経済社会総合研究所が、幸福度について、
本年3月に大規模なアンケート調査を行った結果、
「所得水準が高く、生活が楽で」、「働いており」、「結婚して」、「健康であり」、
「学歴が高く」、「頼れる人が身近にいる」人が幸福だという、
いずれも常識的な結果が得られたそうです。

この結果を受けての小峰研究顧問の分析は、要約すると次のようなものでした。

『第一に、オーソドックスな経済政策の目標を達成することは、
 人々の幸せのためにも大変重要だということ。
 適切な経済政策によって、高い成長率を実現し、失業率を引き下げ、
 物価を安定化させることができれば、
 人々の生活は安定し、失業率も下がるから、人々の幸福感は高まるはず。
 第二に、幸せに関係するからといって、
 政府がその分野に直接介入すべきかどうかは疑問だと思われる要素も多い。
 例えば「結婚している人」「学歴の高い人」の方が幸福度が高いからといって、
 政策的に結婚や高学歴を奨励すべきかは疑問。
 第三に、そもそも政策的に対応することが難しい側面もある。
 例えば、どうすれば「身の回りに助けてくれる人がいる」という状態を
 作り出すことができるかという点など。』

そして、次のように指摘されています。

『このように考えてくると、国民全体の幸福度を高めたいのであれば、
 政策的には、まずはオーソドックスな経済政策の目標を最大限追求することが必要。
 その範囲を超えて、政策的に幸福度に介入しようとすると、
 政府がある特定の行動パターンを人々に押し付けることとなり、
 個々人の選択の自由を阻害することになるおそれがある。』

さらに、幸福度を国が政策的にどのように取り扱うかについては、

内閣府経済社会総合研究所の「幸福度に関する研究会報告」では、
 幸福度についてかなり慎重な態度を取っており、
 「経済指標より幸福度が重要だ」とも「幸福度を高めることを目指す」とも言っていない。
 私もまた、幸福度に関しては、政策的にはかなり抑制的に接した方がいいと思う。
 その意味で、政府の成長戦略が、
 幸福度の扱いを「GDPに変わる目標」から
 「調査研究の対象」へと変化させてきたことは正しい方向だと思う。』

幸福度の扱いが、「GDPに変わる目標」から「調査研究の対象」へと
抑制的に変わったことは、全く知りませんでした。
私の勉強不足ですね…。
「幸福を高める経済政策に王道なし」ということでしょうか?
次回のレポートも楽しみです。