国語施策の参考とするため、文化庁が平成7年度から毎年実施している
「国語に関する世論調査」の平成23年度調査の結果が公表されました。
今月20日のmsn産経ニュースでは、次のように報道されています。
『文化庁が発表した「国語に関する世論調査」では、
事実上の誤用の割合が本来の使い方を上回り、
“市民権”を得ている実態も浮かび上がった。
調査では、「にやける」を本来の「なよなよとしている」という意味で使っている人が
14.7%だったのに対し、「薄笑いを浮かべている」と答えた人は76.5%に達した。
慣用句についても、「本心でないうわべだけの巧みな言葉」を、
本来の「舌先三寸」と答えたのは23.3%だったのに対し、
本来でない「口先三寸」は56.7%。
「快く承諾すること」も、本来の「二つ返事」が42.9%だったのに対し、
「一つ返事」は46.4%で、本来の使い方をする人の方が少数派だった。』
その他としては、例えば、次のようなものがあります。(○印が本来の意味です。)
「うがった見方をする」
○ 物事の本質を見据えた見方をする 26.4%
× 疑って掛かるような見方をする 48.2%
「失笑する」
○ こらえきらずふき出して笑う 27.7%
× 笑いも出ないくらいあきれる 60.4%
「割愛する」
○ 惜しいと思うものを手放す 17.6%
× 不必要なものを切り捨てる 65.1%
「ひっきりなしに続くさま」
○ のべつまくなし 42.8%
× のべつくまなし 32.1% などです。
調査結果を読んで、内心ドキリとしました。
私自身、これまで、これらの言葉を正しく使用していなかったと反省しています。
今月23日の産経新聞「主張」では、次のように指摘しています。
『〜(中略)〜 こうした国語の世論調査の結果は例年、大きな話題となるが、
どちらかといえば一過性の論議に終わりがちである。
豊かな国語文化の継承のためにも、息の長い啓発活動が求められよう。』
全く同感です。
パソコンや携帯電話が普及した現代社会。
いとも簡単に漢字に変換することができますが、
その言葉の持つ本来の意味を深く考えることはなくなってしまいました。。
手書きをし、辞書を引く大切さを、教育の場で啓発していく必要があると思います。