今日の日経新聞「シニアが拓く」は、「徒歩15分に潜む商機」でした。
今後の日本の成長戦略を考えるうえで、とても参考になる記事だと思います。
まず、記事によると、統計的には次のような事実があるそうです。
・年間230兆円程度とされる個人消費のうち、シニアは100兆円をつかう。
第一生命経済研究所の熊野英生首席エコノミスト(45)は、
高齢者世帯の食費を22兆円と試算する。
・100兆円にのぼる消費の内訳をみると、
旅行などの教養娯楽サービスは6兆2千億円、
白物家電など家庭用耐久財は1兆3千億円、
テレビなど教養娯楽耐久財は1兆円にとどまる。
・22兆円の食費に続く金額上位は交通・通信費10兆円、
光熱費8兆6千億円、医療費5兆9千億円など。
被服・履物や家事用消耗品などを足し合わせると、
シニア消費のほぼ半分は日常生活での必要経費が占める。
記事でも指摘しているように、「シニア」という言葉の響きには、
海外旅行や家電製品など高額消費のけん引役というイメージがありますが、
「シニア消費のほぼ半分は日常生活での必要経費が占める。」とは、意外な事実でした。
また一方、記事によると、
シニアの消費行動を次のように紹介しています。
「元気な高齢者にとって、心理的に歩くことが苦にならないのは15分。
距離にすると1キロメートル。足に衰えを感じると、700メートル程度に縮まる」。
こうしたことから、
少子高齢化に伴う人口減少で
国内市場の縮小を懸念する企業は多いけれども、
徒歩15分の生活圏に潜む需要は大きいものがあり、
シニアの生活圏に目を向ければ、成長の芽はまだ残っていると結論付けています。
この記事を読んで納得することが多いのは、
84歳の父の消費行動を普段から見ているからです。
私の父は、腰や膝の調子が悪いため、徒歩での遠出は難しく、
外出の手段はもっぱら自転車で、その行動範囲は半径2キロメートル以内です。
買物するのは、季節の果物やお菓子などの日常品がほとんどで、
近くの大型ショッピングセンターまで出かけて行きます。
最近は、外出もおっくうになってきているようで、
自宅近くにコンビニが出店してくれると助かります。
できれば徒歩700メートル以内に(しかも往復で)……。ちょっと欲張りかも?