しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

混合制という弱点

日経新聞「経済教室」では、今月20日から、
「新政権 問われる実行力」の連載が始まっています。
第3回目は、待鳥聡史・京大教授の『「衆院3分の2」重み生かせ』でした。

待鳥教授によると、
議席数に対する獲得議席の比率が大きく乖離したことについて、
『開票直後の報道などでは小選挙区制の特性という見解が目立ったが、
 これは妥当とはいえない。』そうです。
私も、この日記で、
小選挙区制から中選挙区制に戻したほうがよいのでは?」と書きましたが、
小選挙区制における得票数と議席数の関係については、
英国などの事例を対象とする豊富な研究蓄積が存在し、
今回の衆院選は、その研究蓄積のデータからも、かなり逸脱しているみたいです。

そして、比例代表との並立という混合制選挙制度の影響が、
むしろ決定的な意味を持ったとして、次のように書かれています。
『混合制を採用することで小政党の残存を許容する現在の衆院選挙制度は、
 民主党がそうであったように、
 不人気政策を推進する執行部の方針には従いたくないと考える議員の離党と
 小政党の乱立を誘発することがある。
 今回はそれに加えて、
 日本維新の会をはじめとする第三極政党が多数の新人候補を擁立し、
 有力候補が3人以上の選挙区が増えた。
 結果的に、比較的小さな差異を強調しながら多数の政党が争うという
 比例代表制の選挙スタイルが小選挙区制に持ち込まれた。
 しかし小選挙区制では相対1位の候補が唯一の議席を確保するために、
 有権者の支持率や得票率でいえば2〜3割にとどまる自民党が、
 7割を超える議席を確保したのである。』

う〜ん、「比例代表との並立という混合制選挙制度」に問題があるとは意外でした。
待鳥教授は、論評の最後を、次のように締めくくられています。
『〜(中略)〜 こうした事態を避けるためには、
 国会改革により衆院と参院の権限関係を整理し、
 併せて両院の選挙制度改革を同時並行で進める必要がある。
 衆院と参院が対等で、かつ両院とも混合制による選挙をする現状は、
 国際的にみても一般的ではない。
 広く衆知を集めて、包括的な制度改革を進めるべきであろう。』

スポーツの世界では、混合ダブルスという競技が結構あって、見応えもありますが、
同じ「混合制」でも、選挙の世界ではうまくいかないものなんですね。

ちょっと例え話のレベルが違ったかも…? 大変失礼しました。