今月20日(日)に放送された
NHKスペシャル「終(つい)の住処(すみか)はどこに〜老人漂流社会」は、
超高齢社会を迎えた日本の現実を再認識する契機となりました。
奥さんに先立たれた男性が、
生活保護を受給するために自宅を引き払うことになり、
最後の手荷物である亡き奥さんの遺骨と遺影に涙するシーンには、
思わずもらい泣きをしてしまいました。
それほどに、番組の内容は私にとって衝撃的で、
以前、NHKで放送された「ワーキングプア〜働く貧困層」
に匹敵するようなインパクトを、社会に与えそうな気がしています。
番組の概要をNHKのHPから引用させていただくと、次のようなものです。
『ひとり暮らしで体調を壊し、自宅にいられなくなり、
病院や介護施設も満床で入れない・・・
「死に場所」なき高齢者は、
短期入所できるタイプの一時的に高齢者を預かってくれる施設を
数か月おきに漂流し続けなければならない。
「歳をとり、周囲に迷惑をかけるだけの存在になりたくない…」
施設を転々とする高齢者は同じようにつぶやき、そしてじっと耐え続けている。
超高齢社会を迎え、
ひとり暮らしの高齢者(単身世帯)は、今年500万人を突破。
「住まい」を追われ、“死に場所”を求めて漂流する高齢者があふれ出す異常事態が、
すでに起き始めている。』
自宅へ帰ることなく施設を転々とし続ける「老人漂流社会」は、
決して他人事ではなく、「将来、ひょっとしたら自分も…」という思いがあります。
また、「尊厳」と「希望」を持って生きられる社会を、
どのようにして実現していくのか、
国と地方自治体に課せられた責任はとてつもなく重いものがあると感じました。
「歳をとることは罪なのか…」
いつまでもこの言葉が脳裏に焼きついて離れません。
せめて「死に場所」は、「自分の望む場所」に確保したいものです。