しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

4つの危機を共有する

今月28日に、安倍総理が国会で行った所信表明演説を新聞で読みました。
この演説の中で安倍総理は、
我が国は、次の4つの危機的な状況にあるとしたうえで、この危機を突破し、
『今こそ、額に汗して働けば必ず報われ、未来に夢と希望を抱くことができる、
 真っ当な社会を築いていこうではありませんか。』と訴えています。

第一は日本経済の危機
 デフレと円高の泥沼から抜け出せず、
 50兆円とも言われる莫大な国民の所得と産業の競争力が失われ、
 どれだけ真面目に働いても暮らしが良くならない。
第二は東日本からの復興の危機
 32万人近くにも及ぶ方々が住み慣れた故郷(ふるさと)に戻れないまま、
 遅々として進んでいない。
第三は外交・安全保障の危機
 外交政策の基軸が揺らぎ、その足元を見透かすかのように、
 我が国固有の領土・領海・領空や主権に対する挑発が続く。
第四は教育の危機
 国の未来を担う子どもたちの中で陰湿ないじめが相次ぎ、
 この国の歴史や伝統への誇りを失い、世界に伍(ご)していくべき学力の低下が危惧される。

安倍総理は、平成18年9月にも所信表明演説を行っていますが、
この時のスローガンは「美しい国、日本」で、その内容は次のようなものでした。
『私が目指すこの国のかたちは、
 活力とチャンスと優しさに満ちあふれ、自律の精神を大事にする、
 世界に開かれた、「美しい国、日本」であります。
 この「美しい国」の姿を、私は次のように考えます。
 1つ目は、文化、伝統、自然、歴史を大切にする国であります。
 2つ目は、自由な社会を基本とし、規律を知る、凛とした国であります。
 3つ目は、未来へ向かって成長するエネルギーを持ち続ける国であります。
 4つ目は、世界に信頼され、尊敬され、愛される、リーダーシップのある国であります。』

大変僭越で失礼な言い方ですが、
安倍総理は、政治的挫折の経験によって、
人間的に大きく成長されたのではないでしょうか?
平成18年の演説が「造花」のような「理念の吐露」であったのに対し、
今回の演説は、国民に危機の共有を訴える、強いメッセージを感じることができました。

どうか、安倍総理には、この国の国語辞典から、
「夢」と「希望」という言葉がなくならないように、適切な舵取りをお願いしたいものです。
そして私も、日本国民の一人として、
「誇り」と「自信」を持って、自らの運命を切り拓いていきたいと思います。