しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

リフレ派の理論

昨日(6日)の日経新聞には、
日銀副総裁候補の所信表明の要旨が簡潔に掲載されていました。

副総裁候補のお一人、岩田規久男学習院大学教授の所信を読んで、
リフレ派の考え方がおおむね理解できたような気がします。
簡潔な記事をさらに私なりに要約すると、次のようになります。

・日本経済は人々がデフレ予想を抱き、
 それが自己実現的にデフレをもたらす悪循環に陥っている。
・日本経済が好循環をつくり出すために要となるのが金融政策であり、
 金融政策によって人々のデフレ予想をインフレ予想に転換させる。
・金融政策のレジームチェンジ(体制転換)を市場が信頼すると予想インフレ率が上がり、
 マネーが現金や普通預金から株式や外貨に向かい始め、株価上昇や円安を招く。
・続いて企業は設備投資に積極的になり輸出も増え、消費者は消費を増やす。
・金融政策で需要を供給能力まで押し上げることによって生産が増加すれば、
 雇用も増加し、やがて賃金も上昇する。
・インフレになると雇用需要が増え、その過程で物価も賃金も上がり、
 実質賃金が上がるのがデフレ脱却のメカニズムだ。
・こうした動きを止めないためにも日銀の金融政策が必要だが、
 既に政策金利はゼロなので、
 マネタリーベース(資金供給量)を拡大する量的緩和を進めないといけない。

岩田先生の所信を以上のように整理してみると、
安倍政権の「三本の矢」の一つである「大胆な金融緩和」の必要性が理解できます。

また、同じ紙面では、「主な質疑応答」も掲載されていました。
津村啓介議員(民主党)の
「2%は2015年春までに達成できるか。達成できない場合の責任のとり方は?」
という質問に対し、岩田先生は、
「就任してから2年だ。最高の責任のとり方は辞職だ。」と答えられています。

う〜ん、この答弁には参りました。政治家でもなかなか言えないと思います。
でも、ちょっと気になるのは、日銀の金融政策は、
あくまでも合議制の「日本銀行政策委員会」で決定されるものですよね。
岩田先生が頑張っても、残りの委員が異議を唱えたらどうするのでしょう?

ところで、今日も日経平均株価は続伸しました。
マーケットの動きはさっぱりわかりませんが、これは「バブルの前兆」なのでしょうか?
それとも、人々の「インフレ予想」の結果なのでしょうか?
バブルとしたら、バブルは必ず弾けるものでは?…。