しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

心を動かす名文(その1)

『新聞の紙面を顔にたとえると、一面コラムは皺(しわ)のようなもの。
 紙面に楽しいニュースが躍っているときは目じりに皺を畳み、
 痛ましい事件を報じる記事があれば眉根に皺を寄せる。』

『新聞がフルコースの料理ならば一面は食前酒。
 料理のなかには政治、経済、国際情勢の記事のように、
 嚙みごたえがあって胃にももたれそうな食材も含まれている。
 一杯の食前酒で食欲を刺激し、胃を生動させて、重たい料理に進んでもらう。
 それが一面コラムの役目。』

朝日新聞天声人語」、日経新聞「春秋」、毎日新聞「余録」など、
新聞の「一面コラム」が果たす役割を、見事な文章で紹介されています。

前置きが長くなりましたが、
『「編集手帳」の文章術』(竹内政明著:文春新書)を読了しました。
読み終わった後の本は、付箋だらけになっていました。
それほど、私にとって、
「感銘を受けた」、若しくは「大変役に立った」箇所が多かったということです。
最初に紹介した二つのセンセンスも、その中の一部です。

著者の竹内政明さんは、読売新聞の看板コラム「編集手帳」の6代目の執筆者。
著書の紹介では、
『数ある新聞コラムの中でも、「編集手帳」は、
 読書家の間で当代随一の面白さと定評がある。』と書かれています。

お世辞でも何でもなく、
確かに「編集手帳」は面白いというか、
いや、私の場合は、「編集手帳」を読んでもらい泣きをすることが多く、
涙もろいファンの一人であります。
自宅では読売新聞を購読していませんが、
職場で毎日楽しみに読ませてもらっています。(どうもスミマセン)

今回、文春新書から出版されたこの本は、
著者が名分を生み出す舞台裏を、惜しげもなく披歴されています。
今日一日の日記ではとても書ききれないので、シリーズで紹介したいと思います。
続きはまた明日…。

「編集手帳」の文章術 (文春新書)

「編集手帳」の文章術 (文春新書)