しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

3つの課題

連休明けの今日、久しぶりに「経済レポート専門ニュース」をネットで開きました。
タイトルに惹かれてまず初めに読んだのが、
大和総研チーフエコノミスト・熊谷亮丸さんの
『「アベノミクス」が抱える3つの課題』というレポートです。

熊谷さんは、一見好調に滑り出したかに見えるアベノミクスは、
次の3つの課題を抱えていると指摘されています。

第一に、規制緩和やTPP参加などの構造改革への取組、
すなわち三本目の矢の強化が不可欠であること。
第二の課題は、財政規律を維持すること。
第三の課題は、雇用者の所得を増加させること。

いずれも予想どおりの課題でした。
この課題の中で勉強になったのが、第三の課題に関する次の解説です。
『過去の歴史を検証すると、
 わが国では「売上高増加→賃金増加→物価上昇」というサイクルが存在する。
 すなわち、わが国では売上高が増加した半年〜1年後に賃金が増加し、
 その約半年後に消費者物価が上昇する傾向があるのだ。』

この解説を読んで、
ようやく4月12日に黒田日銀総裁が講演の中で話された、次の内容が理解できました。
『政府が「実需」を作り出し、
 消費・投資の拡大を通じて賃金・雇用を増加させることができれば、
 実体経済が改善する中で、物価上昇率が徐々に高まっていくという好循環が生まれます。』

やはり、過去の歴史を検証すれば、
賃金増加が先で、次に物価上昇というメカニズムになるようですね。納得しました。
ただ、熊谷さんは、
2000年代以降、「グローバリゼーション」の進展などを背景に、
売上高の賃金に対する先行性が崩れつつある点には
一定の留意が必要であるとも述べられています。

さらに、安倍首相は、今日の参議院予算委員会で、
アベノミクスのリスクについて、賃金より先に物価が上がる可能性が高いと指摘、
経済界に労働者への分配をできるだけ早くしていただくようお願いしていると語ったそうです。

過去の歴史のように、
「売上高増加→賃金増加→物価上昇」というサイクルがうまく循環するためには、
一体、どのような政策を強化する必要があるのでしょう?
疑問は、次から次へと湧いてきます。

賃金が増加せずに物価だけが上昇するのは、最悪のシナリオです。
いやな予感??