まるでコラムニストかエッセイストが書いたような名文を読んで、
執筆者の女性がいつの間にか47歳になっていたことを知り、
それと同時に、その才能とセンスに驚嘆したところです。
『47歳の私は過去を懐かしんだり、未来を恐れたり、
今を苦しんだりしながら日々を生きている。
考える事が面倒くさいと思ってしまう朝もある。それじゃダメだと本当に思う。
だから私は今日もページを開く。
詩人の言葉は私に考える事を忘れさせないでいてくれるから。』
今月5日の読売新聞「本よみうり堂」に、
「自選 谷川俊太郎詩集」(岩波文庫)の書評が掲載されていましたが、
その評者が、「キョンキョン」こと女優の小泉今日子さんでした。
冒頭で紹介した文章は、その書評の一部になります。
「自選 谷川俊太郎詩集」は、4月9日のこの日記で、
「コラムニストに愛される詩人」として紹介したところですが、
私はそれ以降、この本を枕元に常備し、気が向いたときに目を通しています。
小泉さんの場合は「朝」のようで、前述の書評には次のように書かれています。
『忙しい日々。朝目覚めてシャワーを浴び、
バタバタと身支度を整え仕事に出掛けるその前に一冊の文庫本を手に取る。
おみくじを引くような、今日の運勢を占うような気分で
ランダムにパッとページを開く。』
私も、小泉さんのように豊かな文才があれば、
もっと上手に本の紹介ができるのですが、
こればっかりは、如何ともしがたいものがあります。
女優であり、歌手でもあり、
そして、読売新聞の読書委員として書評を執筆する。
どうやら「天は二物を与える」こともなされるみたいですね…。
私にとっては、「なんてったってアイドル」の「キョンキョン」のイメージのままですが、
これからもその多彩な才能を、多方面に発揮していただきたいと願っています。
- 作者: 谷川俊太郎
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2013/01/16
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