今日の日経新聞「春秋」を読んで、その軽妙洒脱な文章に感心した次第です。
政府の「骨太の方針」を、カルシウムたっぷりのサプリメントに例えた次の文章です。
『久々にカルシウムたっぷりのサプリメントを並べられた気がする。
国の経済財政政策の基本だという「骨太の方針」がまとまり、きょう閣議決定される。
自民党が野党時代はご無沙汰だったので、
「骨抜き」とたたかれた麻生太郎内閣の「骨太09」以来4年ぶりである。
〜(中略)〜
骨太の体をつくるには、
カルシウムなどの栄養と骨に負荷をかける運動のどちらも欠かせない。
それがスポーツ科学の常識だという。
骨太の国をつくるための栄養は経済成長、運動が財政規律ということになろう。
誰しもつらいトレーニングよりは栄養の方に心が傾く。
その先には、骨太とは似て非なる肥満が待っている。』
骨太の体をつくるために
経済成長を「栄養」に、「財政規律」を運動に例え、
続いて、つらい運動を怠れば肥満が待っているというストリー展開など、
私には絶対思いつかない発想と文章構成です。
このように、難しい事柄を国民に分かりやすく説明することはとても大切なことで、
政治家の先生方や官公庁の職員も是非見習いたいものです。
ところで、最近は、株価が急激に下落するなど、市場が混乱しているように思います。
今朝の朝日新聞と読売新聞の社説にも、そのことが掲載されていました。
どちらの社説も、政府や日銀が浮ついた政策に安易に走ることに警鐘を鳴らしています。
分かりやすい表現といえば、その朝日新聞社説には、
「山高ければ谷深し」や「魔法の杖のない現実」といった表現がありました。
先ほどの日経新聞「春秋」と同様、記事に一種の「彩り」を添えているように思えました。
グローバル化時代には、マーケットは摩訶不思議な生き物のように感じますが、
政府や日銀は、日本という国を「骨太の体」にするために、
ここは慌てずに、じっくりと腰を据えて、
「期待」を「現実」に変える政策を着実に実行してほしいものです。