先月28日(金)の朝日新聞「天声人語」と産経新聞「産経抄」では、
岐阜県の71歳の男性が、
「NHKは外国語を使いすぎる」と裁判を起こした事件に関して、
「外来語とカタカナ語」に関するコラムが書かれていました。
面白いのは、どちらのコラムも、
「思いを共感する人は多かろう」、「心情はよく理解できる」と、
訴訟の賛否は別にして、男性の行動に理解を示していることです。
そして、朝日新聞は、英文学者の外山滋比古さんの、
産経新聞は、脚本家の内館牧子さんの言葉を、それぞれ紹介しています。
まず、外山滋比古さんは、
「外来語、カタカナ語を乱用するのは怠けである」とマスコミに苦言を述べていたとか…。
次に、内館牧子さんは、
洋画の原題そのままの「安易な」タイトルが目立つのは、
『1984年に公開された米伊合作のギャング映画
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ」あたりから、
その傾向が強まったのではないか。』とエッセイで指摘されているとか…。
外来語やカタカナ語に席巻される日本語に危機感を抱いているようですが、
私は、一番それを多用しているのは、官公庁でないかと思っています。
職員同士の会話はいうまでもなく、
長期計画や各種諮問機関の報告書には、外来語やカタカナ語が多用され、
巻末には、わざわざその注釈がつく始末です。
産経新聞「産経抄」では、
小泉純一郎元首相が厚相時代、
「子供やお年寄りが分からないカタカナ語を使うな」と、
「ニーズ」や「コンセプト」などのカタカナ語の追放に乗り出したことを紹介しています。
耳の痛い話です。
ちょっぴり言い訳すると、外来語やカタカナ語を使った方が、
微妙なニュアンスを、むしろ伝えやすいというメリットもあるのです。
言い訳はこれぐらいにして、
私たちは、美しい日本語を次世代に伝えていく責務があると思います。
私の場合は、孫娘になりますが、
そのためには、私自身、まだまだ日本語の勉強が足りません。
この日記で、日本語の作法を身につけないといけませんね…。