「カネボウ」と聞いて、私が連想するもの……。
まずは、バブル崩壊後に繰り返された粉飾決算と、その挙句の果ての会社の解散。
次に、「沈まぬ太陽」(山崎豊子著)に登場する
国見正之・国民航空会長のモデルとされる伊藤淳二・カネボウ元社長。
そして、なんといっても、
化粧品のCMソングになったサーカスの「Mr.サマータイム」。
ちょっと支離滅裂な連想ですが、
これに今話題の「美白化粧品」が追加されそうです。
今日(25日)の朝日新聞「天声人語」と産経新聞「産経抄」では、
世間を騒がせているカネボウ化粧品の美白化粧品問題について書かれていました。
当然のことながら、どちらのコラムもカネボウ化粧品の対応に批判的です。
まずは、産経新聞「産経抄」から…。
『それにしても、カネボウの対応には首をかしげてしまう。
2年前にすでに被害の声が届いていながら、調査を始めたのは、今年5月に入ってからだ。
「お肌は女性の命」ともいわれる。
毎日、念入りに状態をチェックする化粧姿から、真剣勝負の気合が伝わってくる。
それを手助けする立場の会社にしては、緊張感がなさすぎる。』
次に、朝日新聞「天声人語」から…。
『その「白斑(はくはん)」の原因が、
こともあろうに美白の効果をうたうクリームや乳液というのだから、
被害者の方々には手ひどい裏切りだろう。
カネボウ化粧品によれば、白斑が大きかったり、
たくさんできたりという重症の人が2250人もいる。
メーカーとしては決定的な信用の失墜である。』
化粧品といえば、
確かに、妻や娘がお化粧をしているときは、「真剣勝負」そのものです。
そして、上手にお化粧ができた後の、二人の満足で幸せそうな表情を見ていると、
なんだかこちらも嬉しくなってきます。
メーカーとしての信用を失ったカネボウ化粧品。
大切なのは、これからのカネボウ化粧品の責任ある行動だと思います。
危機に遭遇した時に、人や組織はどのように行動すればよいのか?
個人であれ、家庭であれ、会社であれ、国であれ、
現代社会において、「危機管理能力」は必須のスキルになっているような気がします。