しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

上天は欺き難し

今日(27日)の朝日新聞天声人語」を読んで、
すっかり忘れていた「中国の古典にある言葉」を思い出しました。
その「天声人語」とは、
経済産業省のキャリア官僚が、匿名のブログに暴言を書きこんだことに関しての
次のような内容のコラムでした。

『公務員のことを戦前は官吏(かんり)といった。そのあるべき姿を「吏道(りどう)」という。
 故後藤田正晴(ごとうだまさはる)氏は
 政界に転じる前に警察庁長官や事務方トップの官房副長官をつとめた。
 内務省に入った時に役人の心構えを教わったという。中国の古典にある言葉だ。
 「爾(なんじ)の俸(ほう)爾の禄(ろく)は 民(たみ)の膏(こう)民の脂(し)なり
  下民(かみん)は虐(しいた)げ易(やす)きも 
  上天(じょうてん)は欺(あざむ)き難(がた)し。」
 お前がもらう給料は人々の払う税金、つまりは汗と脂(あぶら)の結晶である。
 それを忘れて人々を虐げるなら天罰が下るぞ、と。
 後藤田氏は後年、「この教えを再び」と説いた。
 次々と起こる後輩官僚らの不祥事に怒ってのことだ。
 自分が国を動かしているという自負は、ともすれば過信や思い上がり、
 国民を見下す高慢に転じる。 〜(以下「略」)〜』

この「爾(なんじ)の俸(ほう)爾の禄(ろく)は……」の言葉は、
学陽書房が発行する「地方自治小六法」の、地方公務員法の冒頭の仕切紙に書いてありました。
(実のところ、私が現在使用しているのは、第一法規の「自治六法」です」。
 ただ、市町村行政を担当する課に在籍していた頃は、
地方自治小六法」を好んで使用していました。)

確か、福島県の、とあるお城(手元にないので思い出せません…)に、
その言葉が刻まれた石碑が建っていると解説されていたはずです。
地方公務員法を調べる時には、
必然的にこの言葉を目にすることになるので、不思議と印象に残っています。
たぶん、今でも「地方自治小六法」に掲載されていると思います。

後藤田さんといえば、「カミソリ」と呼ばれ、
「後藤田五訓」はあまりにも有名ですが、
それ以外にも、部下職員に諭す「言葉」があったことを知りました。

時代が移っても、
公務員が肝に銘ずべき言葉は「不変・不滅」なのかもしれません。
曰く、「上天は欺き難し」……。