しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

年金問題を考える

今月10日の日経新聞「経済教室」は、
高山憲之・年金シニアプラン総合研究機構研究主幹の
『年金は持続可能か〜受給開始年齢、自動調整を』でした。

高山主幹の論考を読んで初めて知りましたが、
政府の社会保障制度改革国民会議が安倍首相に提出した最終報告書には、
年金の「支給開始年齢を変えても、長期的な年金総額は変わらない」
という記述があるそうです。

普通に考えると、
受給開始年齢を引き上げると、その分受給期間は短くなり、
受給総額が減って年金財政の運営が楽になるような気がします。
このような素朴な疑問に対して高山主幹は、次のように解説されています。

『給付総額=負担総額、という長期的しばりの下で、
 負担総額を固定すれば給付総額も固定される。
 受給開始年齢を引き上げれば受給者総数は少なくなるものの、
 右のしばりの中で必要となる給付水準の引き下げ幅は、その分だけ小さくなる。
 一方、受給開始年齢を維持すれば、代わりに給付水準を大幅に引き下げることになる。
 これが「支給開始年齢を変えても、長期的な給付総額は変わらない」
 というくだりの含意である。』

なるほど、「給付総額=負担総額」が等式であるならば、確かにそのとおりですね。
よく分かりました。

なお、受給年齢引き上げに関しては、次の記述も参考になりました。
高山主幹ご指摘のとおり、早合点している人は、私も含め結構いると思います。

『受給開始年齢の引き上げは本則上の話であり、60歳受給開始を望む人は、
 これまでと同様60歳から、減額された年金をもらうことができる。
 このことを理解せずに、たとえば本則で68歳とすると
 「68歳になるまで年金はもらえない」と早合点してしまう人が多い。
 それが冷静な議論や判断を妨げている。』

ところで、この日記のタイトルは、『しんちゃんの老いじたく日記』です。
「老いじたく」という言葉を使用しながら、
今まで、老後の人生に重要な役割を果たす年金のことを
真剣に学んだことはありませんでした。

年金をはじめ、「老いじたく」は幅が広くて奥が深いテーマです…。