先月30日(木)に放送されたNHKクローズアップ現代
『東大紛争秘録〜45年目の真実〜』を、今日、ビデオで観ました。
東大紛争の混乱の収拾を任された教授たちが、
紛争の直後に開いた座談会の記録が、当時の教授の自宅に残されていたとのこと。
番組は、その原稿用紙600枚にわたる証言記録から、
現代に問いかけるメッセージに迫ろうとするものでした。
東大紛争の終結から45年経って、
座談会に参加した当時の執行部のうち、すでに5人は亡くなっているそうです。
番組では、唯一存命である坂本義和教授が、
当時の思いを語った場面がありましたが、次の言葉が強く印象に残っています。
『あのときの学生たちの一部は、
「高度経済成長は何のためだ」、「なぜ大学で学ぶのか」と問いかけていました。
しかし私たちは、ろくな答えを持っていませんでした。
彼らの問いかけは、時代が大きな転換点を迎えている現代でも、
絶えず問われなくてはいけない問題なんです。』
東大・安田講堂に機動隊が突入したのは、1969年1月18日。
その時、私は中学1年生でしたが、「身近な出来事」として記憶に残っています。
私には、5歳年上の従兄がいます。
その従兄が、ちょうどその年に、某・旧帝国大学を受験して不合格となりました。
東大入試が中止となった結果、
東大を受験しようとした人達が、京大などに受験先を変更するなど、
各大学の合格レベルは、一段階「上」のレベルに引き上げられたようで、
その影響は、従兄のみならず、当時の全ての受験生に及んだのではないだろうか…。
このような話を、中学生の私は、父から聞かされました。
そして、この時初めて、
「大学」や「大学受験」というものを明確に意識したと思います。
もっと勉強して、必ず大学に行こうと……。
しかし、何のために大学に行くのか、深く考えていなかった…。
45年が経過した今、
坂本義和教授が語られた言葉は、私の心にも重くのしかかります。
『何のために大学に行ったのか。
大学で何を学んだのか。
大学で学んだことは今に生かされているのか。
人生において、大学とは、学問とは何だったのか。』
自問自答しても、この「答え」を未だに見つけることはできません。
たぶん、この先も「答え」を見つけることはできないと思っています。
たって、その「答え」を見つけ続ける旅が、人生のような気がして……。