しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「豆まき」から「太巻き」へ

今日は節分です。

「節分」といえば「豆まき」と、すぐに結びつきますが、
我が家では、娘の成長につれ、いつの間にか行われなくなりました。
その代わりに、我が家の節分の行事として定着したのが、「恵方巻き」です。

でも、いつから太巻きを我が家では食べ始めたのだろう?
おぼろげな記憶を辿っていたところ、
日経新聞の一面コラム「春秋」に、その答えが掲載されていました。

『始まりは関西らしい。
 その年の吉方を向き、無言でかぶりつくべしというのだから珍妙な光景である。
 20年ほど昔に大阪で初めて見たときは仰天したものだが、
 そのイベント性が世間に大いに受けたようだ。
 そもそも土用の丑のウナギや大みそかの年越しそば等々、
 この国の行事食のにぎやかさといったら並大抵ではない。』

そうですか、20年も前のことですか……。
そういえば、娘がまだ小さい頃、
妻が太巻きを買ってきて、
「○○の方角に向かって、黙って食べるのよ!」と言ったそのセリフが、
昨日のように思い出されます。

さて、今年はどの方角に向かって食べるのかな?
その答えも、「こよみのページ」にしっかりと書かれていました。
どうやら節分の日は、「海苔巻の日」でもあるみたいですね。

『1987年(昭和62年)に、海苔業者が制定した。
 節分の夜に恵方に向かい太巻きを食べると幸福になる
 という言い伝えからこの日が生まれた。
 太巻きはひとりで1本食べきるまで誰とも話してはいけないとか。
 その年の恵方は西暦年の末尾1桁が、0,5なら西南西、
 1,3,6,8なら南南東、2,7なら北北西、4,9なら東北東となる。』

はぃ、今年は2014年なので、東北東の方角です。

さて、先ほどのコラムでは、
向田邦子さんの「父の詫び状」のエッセイが引用されています。
向田さんによると、海苔巻の端っこは、
ご飯の割に干ぴょうと海苔の量が多くておいしいとのこと。

『丸かじりの喜びを味わわせ、端っこのしみじみ感を感じさせ、
 この食べ物、じつに芸域が広い。』
コラムの結びの文章です。

このコラムを読んでいたので、
今日の夕食の太巻きは、端っこから食べることにしました。
でも、私の場合は、「真ん中」も「端っこ」も、全く変わりませんでした。
向田さんの観察力に脱帽です。