予想どおりというべきか、
今日(10日)の全国新聞の一面コラムは、
昨日の小保方さんの記者会見に関する記事でした。
その中でも、朝日新聞「天声人語」と読売新聞「編集手帳」は、
それぞれ東西の寓話や物語を引用していて、とても勉強になりました。
『イソップの寓話(ぐうわ)は古くて新しい。古代ギリシャに五種競技の選手がいた。
海外遠征に出かけて戻ってくると、自慢話を大いに吹いた。
「ロドス島で、私はオリンピア競技祭の勝利者も及ばぬ跳躍をやった。
あの島の誰でも証人になってくれる」
すると話を聞いていた男が言った。
「それが本当なら証人なんか必要ない。ここがロドスだ。ここで跳んでみたまえ」。
わりと知られた短文は「論より証拠」の寓意がある。
お察しのとおり、きのう、小保方晴子氏の会見を聞いて胸に浮かんだ。』
次に、読売新聞は、軍記物語『承久記』を取り上げていました。
『鎌倉時代の軍記物語『承久記』に「官打(かんうち)」という言葉が出てくる。
官位が高くなり、不幸な目に遭うことをいう。
異例の速度で右大臣に昇進し、非業の最期を遂げた源実朝に触れたくだりである。
これも官打の不幸だろう。
不備だらけの論文を見る限り、研究チームを率いる資格はなかったようである。』
どちらのコラムも記者会見には批判的な書きぶりですが、
それはともかくとして、それぞれの寓話や物語を、私は初めて知りました。
特に、「官打(かんうち)」という言葉は、
「新明解国語辞典」で調べても載っていませんでした。
実社会でこの言葉を使用することは、今後もおそらくないとは思いますが、
また一つ、知っていることが増えて、なんだか嬉しい気持ちになります。
そして、もう一方のイソップの寓話は、
昔買った岩波文庫の「イソップ寓話集」が、書棚に眠っていることを思い出しました。
どういう動機でその時に買ったのかは、今となっては思い出せませんが、
これを契機に読み直してみようかなと思います。