村上春樹さんの短編小説の発売に関連して、
今日20日の日経新聞「春秋」に、愛媛・松山のことが書かれていました。
『若い教師が地方都市の旧制中学に赴任した。
ところが生徒からは嫌がらせを受け、教師の多くは事なかれ主義だったりゴマすりだったり。
あれこれトラブルが続き、短期間で辞職、東京の実家に戻ることを余儀なくされた。
こう聞くと、どんなひどい町や学校かと思う。
お分かりだろうが作品は夏目漱石の「坊っちゃん」、
舞台は漱石が実際に教師を務めた愛媛県の松山市とされる。
いま松山では、この作品の名を掲げた文学賞を設けるなど町おこしに大いに利用している。
ただし10年ほど前のアンケートでは、
地元が悪く描かれており不快だという人も少なからずいた。率直な感想だろう。』
「坊っちゃん」という小説を若い頃に読んで以来、
どんなことを書いてあったのか、すっかり忘れてしまいましたが、
少なくとも、当時から「不快」という印象は持たなかったと思いますし、
松山市民の方も同じ感覚ではないでしょうか…。
でなければ、「野球場」、「お土産の団子」、「市内電車」、
「文学賞」、「銀行の定期預金・通帳」などに
「坊っちゃん」や「マドンナ」という名前は付けないし、
松山城や道後温泉で「坊っちゃん」や「マドンナ」の姿をして、
観光客の方を「お・も・て・な・し」するはずがありません。
松山市の知名度向上は、夏目漱石と「坊っちゃん」によるところが大きいのです。
先ほどのコラムには、
『揶揄(やゆ)や反語も駆使しつつ人や社会の素顔を描くのが文学の豊かさだが、
一歩間違えれば誰かを傷つける。難しいものだ。』と書かれていました。
悪く書かれた当事者や関係者のお気持ちも分かりますが、
「村上春樹の小説に登場した町や歌」としてPRする方法もあると思います。
生意気なことをいって、どうもスミマセン……。
ちなみに、先日読んだ『ノボさん〜小説・正岡子規と夏目漱石』でも、
伊集院静さんが子規をして、
「伊予の者は頑固者がようけおるからの。」と言わせていました。
「頑固者がようけ住む国、伊予・愛媛」に是非お越しください。