しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

説明の体系の学問

『入門経済思想史〜世俗の思想家たち』
(ロバート・L・ハイルブローナー著:ちくま学芸文庫)を読了しました。

本書は、アダム・スミスマルサスリカードマルクス
ソースタイン・ヴェブレン、ケインズシュンペーターなど、
偉大な経済学者の思想が書かれた……、というか伝記的な要素が濃かったと思います。

「経済学の書物はまさに無味乾燥な散文の砂漠」と呼ばれないために、
本書は経済学の初心者にも、先人たちの思想を分かりやすく解説しています。

そして、経済学とは何かについて、
ズバリ書かれて箇所がありましたので、以下に書き残しておきます。

『経済学とは、日々の経済ニュースの素材であるような図表や予測、
 政府の発表についてたんに吟味するだけのものでない。
 すべての経済学研究者が慣れしたんでいるいるような、
 需要と供給の図表や方程式でもない。
 経済学はその核心において、われわれが経済と呼ぶ複雑な社会的存在の動きについて、
 さらにはその問題点と見込みについて、われわれに教えるのを目的とする、
 説明の体系なのである。』

「経済学は説明の体系である」。
これほど端的な言葉を、これまで聞いたことがありません。
本書が長く読み継がれてきた理由が分かったような気がしました。

入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫)

入門経済思想史 世俗の思想家たち (ちくま学芸文庫)