『入門経済思想史〜世俗の思想家たち』
(ロバート・L・ハイルブローナー著:ちくま学芸文庫)を読了しました。
本書は、アダム・スミス、マルサス、リカード、マルクス、
ソースタイン・ヴェブレン、ケインズ、シュンペーターなど、
偉大な経済学者の思想が書かれた……、というか伝記的な要素が濃かったと思います。
「経済学の書物はまさに無味乾燥な散文の砂漠」と呼ばれないために、
本書は経済学の初心者にも、先人たちの思想を分かりやすく解説しています。
そして、経済学とは何かについて、
ズバリ書かれて箇所がありましたので、以下に書き残しておきます。
『経済学とは、日々の経済ニュースの素材であるような図表や予測、
政府の発表についてたんに吟味するだけのものでない。
すべての経済学研究者が慣れしたんでいるいるような、
需要と供給の図表や方程式でもない。
経済学はその核心において、われわれが経済と呼ぶ複雑な社会的存在の動きについて、
さらにはその問題点と見込みについて、われわれに教えるのを目的とする、
説明の体系なのである。』
「経済学は説明の体系である」。
これほど端的な言葉を、これまで聞いたことがありません。
本書が長く読み継がれてきた理由が分かったような気がしました。
- 作者: ロバート・L.ハイルブローナー,Robert L. Heilbroner,八木甫,浮田聡,堀岡治男,松原隆一郎,奥井智之
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2001/12
- メディア: 文庫
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