しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

甘い幻想

今日(29日)の日経新聞「時流地流」は、
『地方が迫られる「退却戦」』というタイトルでした。

いろいろと考えさせられるコラムでしたが、
そのなかでも、法政大・小峰隆夫教授の
「地域活性化論と経営論は似ている」との御指摘は、
次の解説を読んで、「なるほどそういうものか…」と思いました。

『両者にはいずれも、成功例から成功要因を抽出して模倣すれば、
 誰にでも成功の可能性があるという含みがある。
 しかし実際はそうではない。
 それは「成功要因以外のその他の要素が非常に大きい」からだ。
 例えば若い世帯が増えている小規模町村は、
 大都市が近いなどもともと立地が好条件の例が多い。
 自治体は企業と違って引っ越せず、企業以上に手足をしばられている。
 交通の便の悪い地域が同じことをしても成功は難しいだろう。』

確かにそのとおりですね…。

成功要因以外の「その他の要素」を分析することなく、
成功要因だけを抽出して模倣した結果、
地域活性化に失敗した事例は、これまで全国に数多くあったと記憶しています。

コラムの最後は、
『「地方創生」という言葉に潜む甘い幻想を断ち切るべき時である。』
という厳しい文章で締めくくられていますが、
「甘い幻想」とまでは言わないものの、
「甘い期待」を抱かないことが正解のような気がします。

「地域活性化に王道なし」といったところでしょうか……。