しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「オカルト」か「足し算」か

日銀による「異次元金融緩和」は、果たして効果があるのかどうか、
私には分からないことが多すぎます。

そんなふうに思っていたところ、
今日(5日)の日経新聞「大機小機」に、
『オカルト経済学』というタイトルのコラムが掲載されていました。

オカルト経済学…??
コラムでも触れられていましたが、
最初、このタイトルを読んだ時には、そんな経済学があるのかとドキリとしました。

コラムを正確に読むと、吉川洋・東大教授が、
日銀の異次元緩和の有効性を強く主張するリフレ派の考え方を
「オカルト」と断じているとのことでした。

気になって、10月25日付けの日経電子版を改めて読み直すと、
確かに吉川教授は、次のように述べられていました。

『私は反対だ。マクロ経済学はこの40年でずいぶん変わって、
 名目の支出はマネーで決まるというマネタリズムが優勢になっている。
 岩田さんの考えは主流派的な考えだ。
 Aという財の価格が上がれば、Aの支出は減らすかもしれないが、
 その分はBという消費に移るだろうと。
 頭を全部抑えているのは名目支出で、それは名目マネーで決まっている。
 この考えは、私はオカルトだと思う。物価は足し算だ。』

う〜ん、やっぱり私には基礎知識がないためか、よく分かりません……。
でも、コラムの次のご指摘は、ごもっともだと思いました。

『政策効果の厳密な検証となると話は別である。
 異次元緩和のポイントである「期待」の役割について
 吉川氏はデータに基づく冷静な分析が必要とする論者で、支持者は多い。
 その吉川氏をして「オカルト」と言わしめる空気が今の学界にはある。
 対立する陣営がそれぞれ「標準的な経済学」を標榜する割には、
 論争の共通土俵とデータ検証が決定的に欠落しているようにみえる。』

また、コラムでは、
小宮隆太郎元東大教授の次のような言葉も紹介されていました。
『経済学者たちの意見対立がはなはだしいと、
 経済学に対する世間一般の信頼が低下することを、私は恐れる。』

そうすると、
論争の共通土俵とデータ検証があったうえでの意見対立であれば、
そこにこそ経済学の醍醐味があるのではないだろうかと、
私なりに勝手に解釈した次第です。