懐かしい風景に再び巡り会えたような気がしました。
文芸春秋12月号に掲載された、「みつはしちかこ」さんの、
『小さな恋のものがたり〜52年目の結論』というエッセイを読んで、
チッチとサリーの恋の物語が、第43集で完結したことを知りました。
しかも、つい最近までこの物語が連載されていたことを知り、二重の意味で驚きました。
私には同い年の従姉がいます。
その従姉がこの物語のファンで、
私も従姉の家で、単行本シリーズを一心不乱に読んだ記憶があります。
それがちょうど二十歳の頃だったような……。
ですから、約40年ぶりにこの物語のことを思い出したことになります。
えっ…、女の子が読むような本を、男の子が読むなんて…。
なとど言わないでください。
詳しいストーリーは、もうすっかり忘れましたが、
一度読み始めると、とても面白くて、
しかも、なんとも言えない感動を味わったことを覚えています。
人を好きになることは素晴らしいことで、
いつまでもその時のときめきは忘れることができません。
そして今回、改めて「ちいさな恋のものがたり」の底流を貫く
「思想」というか、「哲学」を思い起こすことができました。
それは、『あなたの歩く道ばたの わたしは小さな花になりたい』…という言葉です。
サリーのような「好青年」にはなれなかったけれど、
こんな私でも、一応は「初恋」らしきものを経験して、
好きだった人のことをこの歳になっても想い出せるのは、
とても幸せなことだと思います。
さて、先ほどのエッセイの最後に、
みつはしさんは次のように述べられています。
『チッチは引込みじあんだけど、ひとりの人を思い続けるたくましさがある。
そのたくましさに私も元気づけられて歩き続けたいし、
永遠の青春のようなチッチが読者の中にも生きつづけてほしいと思います。』
この物語が、多くの人に読み続けられることを祈っています。
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2014/11/10
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