しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「危機感」という争点

今回の衆院選挙の争点について、さまざま議論がある中で、
公示日の今月2日に、保守の代表的論客である中西輝政京都大学名誉教授が
『分岐路に立つ「危機感」が争点だ』という論評を投稿されていました。

その要旨というのは、次のような文章です。

『今回の総選挙の意義については、すでに多くの議論がなされている。
 その1つとして当初、野党やマスコミの一部からは
 「大義なき解散」とか「なぜ今なのか」といった疑問が提起された。
 しかし私には、このような議論があること自体が、
 今、この国に一番足りないものが何かを教えているように感じられた。
 それは「危機感」ということである。』

そして、今年第2四半期のGDPがマイナス成長だったことを受けて、
日本経済がこの2年間、デフレ脱却へ向かっていた勢いが
ここで失速する可能性が浮上したとして、
アベノミクスに賭けるのか、それとも、もと来た道へと引き返すのか、
 選挙の大義、争点はまさにこれなのだ。」
と主張されています。

なるほど…。
まさに今回の選挙は、「アベノミクス解散」ということですね。

私が特に、中西教授のお考えに賛同するのは、
アベノミクスを批判する野党は、
 ぜひとも、それに代わる具体的な代案を出さねばならないのである。」
という記述です。
そのとおりだと思いますので、野党が示す対案にしっかり目を通したいです。
(でも、野党に明確な対案ってあったかしら?)

なお、中西教授は、次のようなこともこの論評でおっしゃっています。
『「危機」と「破局」は違う。
 危機(クライシス)とは、まさに破局が始まる臨界点のことで、
 悪くすると破滅的な結末に至る重大局面を意味する。
 もしここで日本が成長への展望を失ってしまえば、
 少子化の進行と財政危機の頻発の中で
 不可逆的な国家衰退の道を辿(たど)るだろう。』

う〜ん、まいったな……。
「破局が始まる臨界点」という認識は、全く持ち合わせてませんでした。
私には、日本という国に対する「危機感」が足りないのかもしれません。