しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

「座右の銘」としている故事

今日で9月も終わりです。

月日が経つのは早いもので、平成27年度も半分が経過し、

私の現職公務員生活も、あと残り半年となりました。

ただ、今現在は、日々の仕事に追われていて、まだその実感がありません。

 

さて、日経新聞電子版の「政治アカデメイア」を読んでいると、

清水真人編集委員が、「寸善尺魔」という聞き慣れない故事を、

記事冒頭で次のように使われていました。

 

『「国内総生産(GDP)600兆円」「合計特殊出生率1.8」

 「介護離職ゼロ」。首相の安倍晋三自民党総裁2期目の3年は、

 こんな「夢」をうたい上げて始まった。

 達成期限や政策手段、財源などは何も示していない。

 安倍1強政局が政権運営から緊張感を失わせつつある兆しだ。

 無投票再選につきまとう「寸善尺魔(すんぜんしゃくま)」の故事を

 忘れてはいけない。』

 

日経電子版では、ご丁寧にも

次のような解説を読者のために用意してくれていました。有難い御配慮です。

 

寸善尺魔

「世の中にはよいことは少なく、悪いことばかりが多いというたとえ」

(新明解故事ことわざ辞典)

 

「人間の一生は地獄でございまして、 

 寸善尺魔、とは、まったく本当の事でございますね。

 一寸の仕合せには一尺の魔物が必ずくっついてまいります」

 (太宰治ヴィヨンの妻」より)

 

そして、清水編集委員は、記事の最後で、次のように述べられていました。

『翻って安倍。4~6月の成長率は予想外のマイナスに落ち込んだ。

 中国経済の変調から、アベノミクスの先行きに不透明感が漂う。

 16年夏の参院選に向け、野党は再編を急ぐ。97年とどこか似ている。

 自民党戦国史に学ぶなら、安倍はまず内閣改造

 「寸善尺魔」をかみしめながら、臨んだ方がいい。』

 

太宰治が言っているように、

「一寸の仕合せには一尺の魔物が必ずくっつく」というのは、

国家であれ、首相であれ、一個人であれ、

万物に共通する「真理」のように思います。

 

でも一方では、「人間(じんかん)万事塞翁が馬」という故事もあります。

私は、こちらの方を自分の「座右の銘」に選んでいます。

でないと、長い公務員人生を生きていくことはできませんでした。(苦笑)