しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

変わるために動くこと

『社会を変えるには』(小熊英二著:講談社現代新書)を読了しました。

 

新書版なのに、517ページもある大作で、読了するのに結構時間がかかりました。

「社会を変えるには」どうすればよいのか?

この本の最後に、その「答え」と思われる記述がありました。

 

『社会を変えるには、あなたが変わること。

 あなたが変わるには、あなたが動くこと。

 言い古された言葉のようですが、いまではそのことの意味が、

 新しく活かしなおされる時代になってきつつあるのです。』

そして、「動く」ということについては、次のような記述がありました。

 

『冷たい壁にとりかこまれていて、声が出せないという人がいます。

 それは逆だと思います。

 声を出さないあなたは、他人から見れば壁の一部です。

 あなたが声を出さない状態が、周りの人を壁にしています。

 関係は作り作られます。関係は待っていても変わりません。

 動かないと変わりません。

 声を出せば、一時的に敵対関係になる人も出るかもしれませんが、

 味方になる人も出るでしょう。』

 

この文章の中に出てくる「関係は作り作られる」という言葉は、

どうやら、イギリスの思想家、アンソニー・ギデンズ

再帰性の増大」を意味しているものと思われます。

著者は、現代社会で増大しているのは、

自由の増大というよりも、「作り作られてくる」という度合いであり、

これをギデンズは「再帰性の増大」とよんだと解説されていました。

この部分は繰り返し読みましたが、私は未だに理解できていません…。

 

ところで、「動く」という言葉では、相田みつをさんの言葉が思い浮かびました。

『とにかく具体的に動いてごらん。

 具体的に動けば具体的な答えが出るから』

 

う~む、それにしても、

社会を変えるには、自分自身が変わらなければならないとすると、

それはとても困難な作業を伴うことだと思いました。

結論としては、歴史や思想など多面的な記述と視点があって、

なかなか有意義で面白い本でした。

 

社会を変えるには (講談社現代新書)

社会を変えるには (講談社現代新書)