『地方創生~大事なのは「人」の育成』という論評を投稿されていました。
国立青少年教育振興機関による
日本、米国、中国、韓国の高校生の意識調査報告で、
「親をとても尊敬している」や「高齢化した親の面倒を必ずみる」
という割合が、日本が相当低くなっていることに、
佐伯教授は、「親子関係という垂直的関係が希薄になっている」
という印象を持たれています。
そして、佐伯教授は、
『戦後日本とは、下底にあって親(とりわけ父親)の権威を否定し、
学校にあっては教師の権威を否定し、
社会にあっては政治家の権威を否定する時代であったとすれば、
これは当然の結果かもしれない』と述べられるとともに、
『いわば道徳力という意味で子どもたちを育てるべき、
家庭、学校、地域が崩壊とはいわないが、
衰退していることは間違いないだろう』と指摘されています。
そして、ここからが重要だと私は思うのですが、
『実は、家庭、学校、地域の再生こそは、
老人介護や福祉と密接にからみあい、
地方創生や道徳教育ともつながっており、
その中心に、家族や家庭があることはいうまでもなかろう。』
と述べられたうえで、論評の最後を次のような文章で結ばれていました。
『「個」が過度に自立した大都会ではなく、
地方でこそ、家庭や地域が生活の軸になるとすれば、
地方創生は、家族や地域の再生からしか始まらないだろう。
それを成長戦略やグローバル競争へ結びつけるのは間違っている。
大事なことは、家族や地域へ責任を持とうとする「人」の育成にあるからだ。』
安倍首相が、安全保障問題の次の課題として
経済再生のさらなる推進を掲げているなか、「目からウロコ」の論評でした。
一人親などの家庭に限れば、先進国で最悪水準といわれる
「子どもの貧困」問題も、極めて重要な課題だと思います。
『可能性への切符を、貧富によらずどの子どもの手にも握らせたい』ものです。
貧困からの脱却があって、初めて「個」の自立があるのだと思います。