しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

再び「難民問題」を考える

先日、「欧州の難民問題を考える」と題して日記を書いたところですが、

今日の日経新聞池上彰の大岡山通信 今若者たち」に掲載された

『難民問題と日本』と題する記事を読んで、

さらにこの問題に関する理解が進んだように思います。

 

池上さんの講義を履修している東京工業大学1年生約100人に、

「日本にはどんな協力ができるのか、難民を受け入れるべきかどうか」

について意見を聞いてみたところ、

次のようにプラス面とマイナス面の指摘があったとのことでした。

 

まず、プラス面の意見はというと、

 ・日本で文化的、宗教的な摩擦が起きるというマイナス面があったとしても、

  国際社会の一員として貢献というプラス面を優先すべき

   

 ・違う文化を持つ人々を受け入れることによって、

  日本人の閉鎖的な考え方を変えたり、

  グローバル化を実現したりするメリットがある

   (私も、この意見に近い考え方を持っています。)

 

 ・日本は「どれだけ受け入れられるのか」、

  今から準備を始めておくことが現実的な選択なのではないか。

 

次に、マイナス面の意見はというと、

 ・一度に大勢の難民を受け入れれば、

  本当に助けが必要な難民を判断できなくなるのではないか。

  (ごもっともな意見だと思います)

 

 ・今、難民を大勢受け入れたら、

  「まず保護が必要な日本人から助けるべきではないか」

  という反発が出るのではないか。

 

 ・受け入れた難民は短期的には日本の労働力になるかもしれないが、

  いずれ財政問題を無視できず

  生活を保護し続けることが難しくなるのではないか。

 

 ・難民を受け入れても、政府が財政問題にメドをつけて

  長期的に難民の生活を守れなかったり、

  日本の景気が悪くなって難民が仕事を失ったりすれば、

  日本を去らなければいけなくなるのではないか。

 

 

う~む、なるほど…どれも鋭い御指摘です。大変勉強になりました。

今の大学生も、しっかりとした意見や主張をお持ちなのですね。

 

記事によると、学生さんの4割が受入れに賛成、

6割が受入れに反対とのことでしたが、

池上さんは、「大勢の前で自分の意見を主張し、異なる意見に耳を傾け、

改めて自分の考え方を整理してみるということはとても大切なトレーニングになる」と

述べられていました。私も、そのように思います。

 

難民問題の本質は、「国際社会は祖国を追われた人々の安全と生命を

どう守ればよいのか問われている」という池上さんの言葉に

ほとんど集約されていると思いますが、

 

それにしても、日本という国は島国であるせいか、

「資源・エネルギー問題」にしろ、「外交・安全保障問題」にしろ、

そしてこの「難民問題」にしろ、

どこか「遠い国の出来事」のように考えてしまう「思考」があるように感じるのは、

果たして私だけなのでしょうか……?