首相官邸のHPで、
先月29日に開催された「一億総活躍国民会議」の概要を眺めていたら、
まず、資料では、「自立の困難を抱える若者の増加」と題して、
次の5つの項目に問題点を整理されていました。
①2000年代以降の所得格差の拡大は、
若者を含む家族の状況にも大きな影響を与えた
②「中間層」がやせ細り下層が増加
③不登校や中退者、心身の疾病や障害問題、
家族関係や経済問題を複合的に抱える、就労困難
④子どもの6人に1人が貧困
⑤親の後ろ盾のない若者は、自立することが極めて困難な状況
途中の資料の説明は省略させていただいて、
全部で12ページの最後の資料は、次のような提言でした。
『貧困家庭に育つ子ども・若者・女性
複合的な困難を抱える子ども・若者・女性に
教育投資の強化を!
未来への投資としての社会保障という考え方
可塑性に富む幼少期~児童期の教育に焦点を当てる
社会との不完全な接続状態にある若者への早期支援
ポジティブ・ウェルフェア(積極的福祉)』
「一億総活躍」と聞くと、なんだかピンと来なくて、
その具体的なイメージが湧きませんでしたが、
こうして宮本副学長の資料を読むと、
「子ども・若者・女性」という特定の「層」をターゲットにした支援策も、
「一億総活躍」への一つの立派な道筋なのだと痛感しました。
特に、「ポジティブ・ウェルフェア」という言葉が印象に残りました。
私は、これから高齢者の仲間入りをする人間で、
これからは今までのような社会保障は受けられないかもしれませんが、
世代的には、高度成長の恩恵を受けた「恵まれた国民」だと思っています。
いつの時代にも、その世代特有の困難はあるとしても、
自分や家族の力では乗り越えられない困難については、
世代を越えて積極的・複合的に支援・投資する必要性を感じた次第です。