今日24日のタイトルは、
『子供への授業 反対の色をほんの少し~個性を育み調和する知恵』でした。
次のような、とても示唆に富むお話しが書かれていました。
・絵画は人間の根源的な表現だと思う。
ところが「うまい絵」あるいは「正解」を描こうとするから挫折して、
絵が嫌いになる。
・アート・アカデミーの私の授業では、
絵の具はそのまま使ってはダメだよ、と子供に伝える。
チューブから出したままの「赤」では、全員が同じ色になる。
・ヨーロッパに行くと、ネクタイでも車でもシックで落ちついた色彩に驚かされるが、
それは補色に近い色をほんの少し、スパイスとして混ぜているから。
反対の色や意見を取り入れながら個性をはぐくみ、調和を尊重する。
それは人間の文明の力であり、知恵である。
絹谷さんのお話しによると、
料理の時に甘いお汁粉に塩、辛いカレーに蜂蜜といった「かくし味」を入れるように、
赤に緑やほかの色を少し混ぜると100人100色の「赤」ができる、
自分だけにしか作れない絵であることが重要、とのことでした。
「絵」で思い出しましたが、
私も子どもの頃には、絵を描くことが好きだったと記憶しています。
小学生の時は、絵の具を持って写生に行く、課外授業が楽しみでした。
母が作ってくれたお弁当持参で、なかば遠足のような気分でした。
そして、ごくまれに、自分の書いた絵が校内で入選すると、
母がとても喜んでくれたことを思い出します。(母は人を褒めるのが上手でした。)
その母が亡くなって、押入れの遺品を整理していたら、
私が子どもの頃に書いた絵を大切に保管していたのが見つかり、
その時は、「懐かしさ」というか、「いとおしさ」というか、「切なさ」というか、
なんとも言えない気持ちになりました。
一枚の絵にも、人それぞれの人生があります……。