昨日2日の朝日新聞「折々のことば」を、この日記に書き残しておこうと思います。
その言葉とは、柳家小満んさんの
『富士山はいきなり高いんじゃなくて、裾野が広いから高いんだよね。』
この言葉について、鷲田清一さんの次のような、味のある解説がありました。
『富士の裾野には、足がすくむような原始の深い樹海があり、
反対側には製紙工場の細長い煙突群がある。いくつもの登山口がある。
稽古を重ね、人の噺(はなし)もたっぷり聞くなかで、話芸は磨かれる。
裾野が広いとは八方美人になれということではない。
人は酸いも甘いも広くみずから経験してはじめて、
見晴らしのよい高みに出られるようになる。』
富士山といえば、いつだったか、この日記にも、
新幹線の車窓から、母と二人で見た富士山の美しさについて書きました。
また、「富士山はなぜ美しいのか?それは裾野が広いから……」
という言葉も紹介したことがあります。
さらに、安岡正篤先生の名言には、次のような言葉もあります。
『偉くなることは、必ずしも富士山のように仰がれるようになるためではない。
なるほど富士山は立派だけれども、それよりも何よりも立派なのは大地である。』
それはそうと、冒頭の子満ん師匠の含蓄のある言葉は、
「東京かわら版」という寄席演芸専門の情報誌に掲載されているようです。
私は一度も現物の寄席を観たことがありませんが、
落語の人気はとても高いらしいですね……。
人生の喜怒哀楽や人生訓も学べる落語も、
老後の楽しみの一つに付け加えたいのですが、
まずは、NHKテレビ番組の「日本の話芸」の視聴から始めたいと思っています。
やりたいことはいっぱいあるのに、
実行に移せないまま人生を終えてしまいそうです…(苦笑)