しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

学問は荷物にならない

日経新聞では、

奥田務・J・フロントリテイリング相談役の「私の履歴書」が連載中です。

第5回目のタイトルは、

読書好き 広い世界知る~自主重視の教育、仕事観の礎 』でした。

 

奥田さんが読書を好きになったのは小学生の頃とのことで、

記事には次のように書かれていました。

 

『小学三年生のころ、まだ教科書はザラ紙のお粗末な時に、

 色ずりの装丁が立派な世界名作全集を買ってくれた。

 夏休みには畳の上に寝っ転がって

 「三銃士」「巌窟王」「トムソーヤの冒険」などを読み漁(あさ)る。

 読み進む度に「こんな社会があるのか」と感心した。

 小さな生活圏しかしらない自分にとって

 西洋の世界観、人間模様は大変、新鮮に感じた。この時から読書が趣味となる。』

 

「世界名作全集」で思い出しましたが、

私も小学生の頃、同じような全集を母に買ってもらいました。

 

ただ、奥田さんと私が違うのは、

本を読みはじめても、すぐに飽きてしまい、外に飛び出て遊ぶのが常でした。

買ってもらった本を読み漁るという体験は、とうとうありませんでした。

 

また、奥田さんは、ご両親から

「学問を身につけておいたほうがいい。荷物にならないから」と言われたそうです。

この点も私と似ています。

私の母も、私と弟に、「お金という財産は、あなた達に残せないけれども、

教育を受けさせることが何よりの財産だ。」とよく言っていました。

 

さて、その後の私の人生はといえば、

読書に関しては、今はまさに「趣味」となり、

良き本との出合いは、ある意味「生きがい」となりました。

本格的に読書に没頭し始めたのは、大学生の頃からなのですが、

今は、奥田さんのように、もっと早くから本に親しんでいたら、と後悔しています。

 

そして、学問といえば、

母はその言葉どおり、家計はとても苦しかったはずなのに、

教育にはお金を惜しまない人でした。

結局、私は「一浪一留」、弟は「二浪」した挙句に大学を卒業しました。

妻からは、「息子二人が苦労を掛けたから、お義母さんは早死にしたのだ」と

何かにつけて言われます。

 

先ほどの奥田さんのご両親は、

「勉強しろ」とは叱らなかったけれど、その代わり

「あなたたちを信じているからね」とよく言われていたそうです。

 

「子どもを信じる」というのは、実は一番難しいことなのだと思います。

これは、わが娘を育てての私の実感です……。