今月8日の日経新聞「キャリアアップ」欄には、
『入社まで本を読んで』という記事が掲載されていました。
学生の就職人気ランキングで上位入りする3社の人事担当部長に、
社会人デビューまでの4カ月弱の間、何をしておいてほしいかを
内定者に聞いたところ、3人の答えで共通していたのは
くしくも「読書」だったとのことでした。
3社の人事担当部長は読書に関し、それぞれ次のように述べられています。
・全日本空輸の人事担当部長
これから社会人となる若者には本を読む習慣を身につけてほしいと思っている。
個人的な印象だが、若者が本を読まなくなったと感じている。
内定者にはビジネスパーソンが読んでいることが多い司馬遼太郎の小説や、
グループ会社が出版しているホスピタリティーに関する書籍などを推薦している。
・みずほフィナンシャルグループの人事担当部長
入社までの時間で視野を広げるために、何か新しいことにチャレンジしてほしい。
映画を100本見るとか、海外10カ国を旅行するとか、
歴史書を100冊読むとか、何でもいい。
重要なのは自分自身で目標を定め、必ず最後までやり切ることだ。
・伊藤忠商事の人事担当部長
若い人は交流サイト(SNS)など迅速なコミュニケーションは得意だが、
点と点の関係だけではうまくいかない。
人間に対する洞察力や深い表現力を磨くため、
入社までに純文学の大著を読んでほしい。
社会人はまとまった時間が取りづらく、読書に没頭できる最後のチャンスだろう。
それぞれの部長さんは、「1冊の本」との出合いが人生を変えることがある、
そのことを十分理解されているのだと思います。
ところで、私の甥っ子も、来年4月から晴れて社会人となります。
今度のお正月に我が家を訪ねてきたら、
「今はどんな本を読んでいるのか?」を聞いてみたいと思います。
どんな答えが返ってくるのか、今から楽しみです。
もし何も読んでいなかったら、
私なら、この時期にじっくり読む本として、
ロマン・ロランの大作、『ジャン・クリストフ』を薦めます。