今年の年の瀬は、穏やかな日が続きました。今日も雲がほとんどない快晴でした。
おかげで、年末恒例の作業もはかどりました。
仏壇と神棚の掃除をして、
樒と榊をそれぞれにお供えしました。毎年変わらない作業です。
さて、昨日までに『杉原千畝~情報に賭けた外交官』
(白石仁章著:新潮文庫)を読了しました。
六千人の命を救った外交官の評伝です。
手嶋龍一さんの『宰相のインテリジェンス』を読んで、
「インテリジェンス・オフィサー」の活動に興味がわいたのが購読の動機でした。
著者は、インテリジェンス・オフィサーについて、次のように述べています。
『インテリジェンス・オフィサーとしての生きがいとは何か。
それは、重要情報を入手し、それが正しく理解され、
活用されることにあると言って過言ではあるまい。』
杉原千畝の独ソ開戦情報を生かせなかった第二次世界大戦下の日本……。
インテリジェンス情報は、いかに正確であっても、
活用されなければ意義を失ってしまうことを、本を読んで理解しました。
さらに、著者は、次のようにも述べられていました。
『インテリジェンスは、公開・非公開を問わず、
収集した情報から未来を切り開く英知を学ぶ世界である』
ところで、報道によると、国交正常化50年の年末に、
日本と韓国との間の最大の懸案であった
旧日本軍の従軍慰安婦問題が決着したそうです。
この決着に至るまでには、おそらく先ほどの「インテリジェンス活動」が、
精力的に行われたのではないかと、私は勝手に想像しています。
日韓双方の関係者による貴重な「インテリジェンス」が、
これからの国際政局に引き続き生かされることを願っています。