う〜ん、まいりました……。
私にとって、「コペルニクス的転回」の本でした。
小心者の私は、くしゃみや鼻水が出ただけで、
風邪を引いたと思い込み、すぐに薬に頼ろうとします。
ところが著者は、「風邪は経過するもの」という独得の表現のほか、
次のように述べて、「自然のはたらきを活かす」ことを説かれています。
・風邪というものは治療するのではなくて、経過するものでなくてはならない。
・早く治すというのがよいのではない。遅く治るというのがよいのではない。
その体にとって自然の経緯を通ることが望ましい。
できれば、早く経過できるような敏感な体の状態を保つことが望ましいのであって、
体の弾力性というものから人間の体を考えていきますと、
風邪は弾力性を恢復させる機会になります。
・元来、風邪は体の洗濯のようなものであって、
体の偏り疲労を除去する自然の方法です。
病気視しないで、風邪が経過した後の体を丁寧に見ればこのことが判ります。
・体の自然というか、命の自然というか、
ともかくそういうことを摑まえてしまうと、
ただ心を静めて手を当てるだけで体の活力は動員されます。
・生命を保つためには自然のはたらきを活かすことの方が、
人智をつくすより以上のことであるということを、考えてみるべきでしょう。
・風邪を全うすると、自ずから改まる体の状態がある。
これからは、自分の体と上手に付き合っていきたいものです。
あぁ〜、それにしても、子どもの頃、
風邪を引くと母から、「今日はお風呂に入るのはやめなさい」と教えられたのは、
「世間の常識」ではなかったのでしょうか……?
もう少し早くこの本と出会えれば、私の生き方も変わっていたかもしれません。
- 作者: 野口晴哉
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2003/02
- メディア: 文庫
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