しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

元大統領の名言

今月3日の日経新聞「春秋」と朝日新聞天声人語」では、
どちらも先月31日に亡くなった
ワイツゼッカー元ドイツ大統領のことが書かれていました。

元大統領の、次の二つの名言がコラムに登場するのも同じで、
さらに、今回の過激派「イスラム国」の人質殺害事件で、
敵意や憎悪がイスラム教を信ずる人々や紛争に巻き込まれた中東の人びとに
向かうことへの危惧も同じでした。

『過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる。』

『若い人たちにお願いしたい。
 他の人びとに対する敵意や憎悪に駆り立てれることのないようにしていただきたい。』

ところで、元大統領に関する著書としては、
私は、岩波ブックレットの『荒れ野の40年〜ヴァイツゼッカー大統領演説全文』と
ヴァイツゼッカー (人と思想)』(清水書院)の二冊を所有しています。

二冊ともずいぶん昔に読んだので、
その内容はすっかり忘れてしまいましたが、
『過去に目を閉ざす者は現在にも盲目になる。』という名言は、
いまでも私の記憶の中にインプットされています。

2月1日の日経電子版の「評伝」を読むと、
元大統領の演説には、メッセージが二つあったことが書かれていました。

その一つは、ナチスの残虐性を戦後生まれの世代に伝えたこと。
二つ目は、敗戦を「ナチスの暴力からの解放」と位置づけたこと。

また、この演説によって元大統領は、「ドイツ社会の尊敬を集めただけでなく、
国際社会でのドイツの印象を大きく改善することに成功した。」とも書かれていました。

二つの「一面コラム」を読んだことをきっかけに、
歴史を直視することの大切さを改めて考えた次第です。

そして、久しぶりに本棚から『荒れ野の40年』を取り出してみると、
演説の最後には、次のような言葉もありました。
こちらも名言だと思います。

『自由を尊重しよう。
 平和のために尽力しよう。
 公正をよりどころにしよう。
 正義については内面の規範に従おう。
 今日5月8日にさいし、能うかぎり真実を直視しようではありませんか。』