「指導者とは」の訳者が徳岡孝夫さんであることを知り、
今度は、『完本 紳士と淑女1980-2009』(文春新書)を読むことにしました。
「紳士と淑女」は文芸春秋発刊のの雑誌「諸君!」に連載されていました。
私はこのコラムを読むのが楽しみで、毎月欠かさず「諸君!」を購入していました。
2009年6月の最終号は、捨てるのが惜しくて今でも大切に保存しています。
この新書でもニクソン元大統領のことが、次のように書かれています。
『いまから二十年後の米国民は、 リチャード・ニクソンを
「悪いことをして辞めた大統領」としてしか記憶していないだろう。
逆に世界の人々は、彼を第二次大戦後最高の米大統領として評価しているはずである。
ニクソンを追い落したのはヒステリックな感情だが、
広い視野に立てば彼の功績は誰も疑うことができない。
〜(略)〜
彼はまた、キレ者キッシンジャーを使いこなした。
日本にはノーベル平和賞を取った首相はいるが、
ノーベル賞を取るほどの部下を存分に使った首相はいないようである。』
さて、改めてコラムを読み直してみると、
「沖縄」に関する記述がいくつか登場することに気がつきます。
例えば、1982年11月号の次の記述です。
『内地を敵であるかのように罵る沖縄の運動家諸君は、
牛島司令官、長参謀長の自決に心をうたれたことはないのか。
沖縄を奪還するために、戦艦大和の乗組員たちは欣然、
片道燃料で出撃したのではなかったのか。
第二艦隊司令長官・伊藤聖一は、
何のために父の艦を護衛して死んだのか。
本土決戦になっていれば、われわれも死ぬ覚悟だったのだ。
互いに和解しようではないか。』
菅・内閣官房長官と翁長・沖縄県知事は、
辺野古移設をめぐる問題で、明日5日に初めて会談するとか…。
これまでの歴史は決して否定できませんが、
何とかお互いに「和解」への道を模索してほしいものです。
- 作者: 徳岡孝夫
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2009/09
- メディア: 新書
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