『日本霊性論』(内田樹・釈徹宗著:NHK出版新書)を読了しました。
読了した後、本は付箋だらけになっていました。
そのなかでも、特に心に残った文章を、次のように書き残しておきます。
・「この世の中には人知の及ばぬことがある」という
人間の能力についての限界の感覚がないと祈りは始まらない。
・集団を存続させようと思っていたら、
成員中の最も弱いものでも支援できるという制度にする必要がある。
・人間が共同的に生きていくためには
「急激には変化しない方がよいもの」がたくさんあります。
・宗教的なふるまいこそはしばしば際立って政治的な効果をもたらす。
・古代から知られている「七つの大罪」というものがあります。
傲慢(pride)、貪欲(avarice)、嫉妬(envy)、憤怒(wrath)、貪食(guttony)、
色欲(lust)、怠惰(sloth)の七つです。
・雷鳴でも雲の柱でも燃える柴でも、何でもいい、
それを「自分宛のメッセージだ」と直感した人が出現したその瞬間に、
一神教信仰は生まれた。その瞬間に、「主」という概念もまた生まれた。
・大拙は、我が身のすべてをそのまま仏の大慈悲にお任せする、
そんな全面的な自己放棄に、絶対他者の世界を見ています。
そして、その態度が日本的霊性の覚醒へとつながった。
・人間社会の「外部」にあるものが境界線を越えて切迫してくるときに、
それに対処することを本務とする人たち、それが「歩哨」です。
なお、この本の中で、
鈴木大拙が考えた日本的霊性のポイントが書かれていました。
①霊性は「精神」とは違う
②霊性はある程度の文化段階に進まねば覚醒しない
③霊性は受動的である
④日本的霊性は大地を離れられない
⑤仏教は日本的霊性の自覚の顕現である
う〜ん、分かったような、分からないような……。
でも、日本人の死生観や宗教性の「基本」が学べたような気がするので、
次は『日本的霊性』(鈴木大拙著:角川ソフィア文庫)に挑戦します。
- 作者: 内田樹,釈徹宗
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2014/08/09
- メディア: 新書
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