しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

活力低下の要因

今日19日の全国新聞の一面コラムを読み比べてみて、
橋下市長の敗北宣言や引退表明に関し、コラムニストの方々が、
なにかしら割り切れない思いを抱いていることが、その文章からうかがい知れました。

朝日新聞天声人語
 橋下氏は自身をワンポイントリリーフの投手に見立てた。
 だが、私たちの選ぶ為政者が常にワンポイントで終わる保証はない。
 橋下流から学ぶべき教訓は、大阪の人々だけのものではない。

日経新聞「春秋」
 引退を即決した姿勢は潔い。戦ってきた経歴への誇りも保てよう。
 ただ「政治は僕の人生からは終了」との笑顔での物言いは、
 賛否を考え抜き投票した人たちに寄り添ってはいない。

・読売新聞「編集手帳
 チャップリンには、自身の最高傑作を問われて
 「ネクスト・ワン」(次の作品だ)と答えたという出典不明の名言が伝わっている。
 せっかく若い敗北でリアリズムを習得した橋下氏に、
 政治家としてのネクスト・ワンはないらしい。
 潔さを感じる前に、肩すかしをくらったような物足りなさも残る。
 
なお、産経新聞「産経抄」は、
これらのコラムとは、ちょっと趣向が異なっていました。

司馬遼太郎さんによると、大阪に地政学的価値を発見した
織田信長平清盛蓮如豊臣秀吉、そして大久保利通など
日本史上における天才が、いずれも政治的には薄命に終わってしまったのは、
大阪が「政権を滅ぼす宿命の都」だったからだとのことで、
コラムではこれに続いて、「笑顔で政治家引退を宣言した橋下氏も、
そのジンクスから逃れられなかったのかもしれない。」と書かれていました。

う〜ん、大阪には歴史から見ると、「政権を滅ぼすジンクス」があったのですか…。(絶句)
ちなみに、「かんべえ」さんは、「溜池通信」の「不規則発言」で、
「人材を育てる場所だった大阪は、
いつしか人材を供給する場所になっていった。」と指摘されています。

地政学的価値がありながら、昨今、大阪の活力が低下している要因としては、
「ジンクス」というより、こちらの方がより説得力があるような気がします。