NHKテレビテキストの『100分de名著〜荘子』を読了しました。
テキストの著者は、僧侶で作家の玄侑宗久さんです。
テキストを読んで、またひとつ自分が知らないことを発見(?)しました。
それは、荘子から広まった言葉の多さです。例えば次のようなもの…。
「寿(いのちなが)ければ恥多し」、「蝸牛角上の争い」、「胡蝶の夢」、
「朝三暮四」、「莫逆の友」、「無用の用」、「明鏡止水」など…。
う〜ん、言葉の意味するところは知っていましたが、
出典が「荘子」だとは、今の今まで知りませんでした。お恥ずかしい…。
さて、今回、テキストを読んで、一番印象に残ったのは、
「不測に立ちて無有(むう)に遊ぶ」という言葉です。
この言葉は、宗久さんが、非常に痛快だと感じている言葉で、
中国を訪れた時には、この言葉を彫った判子まで作ったそうです。
この言葉に関し、宗久さんは次のように述べられていました。
『「無有に遊ぶ」に込められた意味は、
未来はここにはないのだから、「ないという今を遊ぶ」ということです。
多くの人は、今日やるべきことが終わると、
明日やるべきことをつい引き寄せてしまいます。
「明日できることは今日やらない」という強い信念がないと、人間は休めない。
「無有に遊ぶ」とは、忙しい現代の私たちにとっても大事な教えなのです。』
荘子の思想の面白さがもっとも鮮やかに表れるのが
「遊」というコンセプトだそうですが、
私のような凡人には、
時間と空間に縛られない「遊」という境地に達するのも、
これまた容易ではありません。
- 作者: 玄侑宗久
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2015/04/25
- メディア: ムック
- この商品を含むブログ (1件) を見る