日経新聞「私の履歴書」では、
川村隆・日立製作所相談役の連載が続いています。
前回の似鳥昭雄・ニトリホールディングス社長の
破天荒というか、ドラマティックな人生も読み応えがありましたが、
今回の川村相談役の人生には、示唆に富む話がいくつもあって、とても勉強になります。
その一つ目は、「ラストマン」の話です。
『ラストマンとは綿森さん(川村さんが課長時代の上司)によれば
船の船長のようなもの。
「嵐が来て万策尽きて船の沈没やむなしとなった時、
すべての乗客や船員が下船したのを見届けて、最後に船から離れる。
だから船長をザ・ラストマンと呼ぶんだ」と
私たち課長連中を集めて話してくれた。』
二つ目は、「英国軍艦」の話です。
『軍艦は特に手を打たなければ毎年1センチずつ喫水が下がり、
速度が遅くなって、使いものにならなくなるという。
船体の経年変化や貝殻の付着のせいではなく、原因は人だ。
乗組員が自室にこっそり本や服など私物を持ち込み、
それが積もり積もって船が重くなり、水中に沈み込むのだ。
日立という巨艦も同じ。
すいすい動いている間はみんな油断して小さなムダや非効率を積み重ねる。
そしてふと気がつくと、会社が重くなり、
しがらみやその他で身動きがとれなくなっているのだ。』
三つ目は、「事業リストラ」の話です。
『経営者の重要な仕事の一つはそれぞれの事業が峠を越えたのかどうか、
もし下り坂だとすれば
いつどんな形で店じまいするのかに常時思いを巡らせることだ。
非常時ばかりでなく、平時でこそこの作業が大切だ。
それを怠って、命脈の尽きたゾンビ事業を社内に残しておくと、
それが他の事業の勢いをそぎ、
ついには企業が丸ごとゾンビ事業の集団に変わってしまう。』
「日立製作所」という巨大企業のリーダーの言葉には、とても重みがあります。
連載が終わってから感想を書こうかと思っていましたが、
「いいお話」が心に焼き付いているうちに、この日記に書き残しておこうと思いました。
おっとっと…、大切なことを忘れていました。
そういえば今日は、孫娘の誕生日でした。
孫娘のことは、明日書くことにします。ゴメンナサイ…。