「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び」の有名なフレーズは、
これまで幾度となく聴いたことがありますが、全文を聴くのは初めてです。
全体に雑音が入っているものの、陛下の音声が比較的明瞭なのにはびっくりしました。
また、電子版では、現代語にも分かりやすく訳されており、
敗戦当時の人びとが陛下のお言葉を聞いて涙を流した気持ちが、
私にも少しは理解できるような気がしました。
この「玉音放送」に関連して、
今月2日の朝日新聞「天声人語」には、次のようなことが書かれていました。
『あの日、どこで何を思ったか。万の人に万の記憶があることだろう。
それから70年、鎮魂の8月に玉音放送の原盤の音声が公開された。
これまでテレビなどで聞いてきた占領軍の複製より鮮明な印象を受ける。
未曽有の戦争を終わらせた昭和天皇の「4分半」である。
戦争を続けていれば落命したであろう人々は生き残り、驚異の復興を成し遂げた。
とはいえ310万人の日本人戦没者のうち200万人近くは最後の1年の死者だったことを、
前に書いたことがある。
特攻、空襲、沖縄、原爆 〜 多くの悲劇がその間に起きた。
時計の針を逆回しして玉音放送を早めていけば、死なずにすむ人は日々増える。
戦場になったアジア諸国でもそれは同じだった。
8月15日は、遅すぎた終戦の日でもある。』
確かに、天人、御指摘の点もありますが、
陛下のポツダム宣言受諾の御聖断と「玉音放送」が果たした歴史的役割は、
極めて大きいものがあったと私は思います。