しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

済ませるべき「宿題」

今月3日から始まった産経新聞「正論」の「戦後70年に思う」シリーズ、
今日6日は、雪斎先生こと櫻田淳・東洋学園大学教授の
『国際協調へ済ませるべき「宿題」』でした。

「雪斎先生は間違いなくこのシリーズに投稿されるだろう」
私はこのように確信していましたが、それが今日の「正論」でした。

雪斎先生らしい、いつものように格調の高い論評でした。
少々長くなりますが、私が重要と思った箇所を、
この日記をメモ代わりにして残しておこうと思います。

『戦後70年を機に日本が内外に表明すべき「反省」とは、
 国際協調の機運の失速によって瓦解(がかい)した
 帝国・日本の軌跡の意味を正確に理解せずに、
 戦後においても国際協調の姿勢を貫くことを躊躇(ためら)った
 「怠惰」にこそある。

 その意味では、細谷雄一慶応大学教授が
 新著『歴史認識とは何か』の中で「戦前の日本が、
 軍国主義という名前の孤立主義に陥ったとすれば、
 戦後の日本はむしろ平和主義という名前の
 孤立主義に陥っているというべきではないか」と書いているのは、
 誠に示唆的である。

 安倍晋三内閣下で展開される「積極的平和主義」の実相は、
 結局のところは、斎藤(隆夫)や牧野(伸顕)、あるいは吉田(茂)が
 戦後日本の国際社会への復帰に際して考慮した国際協調の精神を、
 政策上の看板として掛け直そうという趣旨のものである。

 そして、現下の安保法制整備は、
 過去六十余年の「宿題」を片付ける試みであるといえる。』

う〜む、「国際協調の姿勢を貫くことを躊躇った怠惰」とか、
「平和主義の名前の孤立主義に陥っている」という表現は、
特に説得力があると思いました。

そういえば、今月4日の「正論」にも、
「戦後日本は平和的に腐敗させられた社会」という言葉もありました。

これら論評に対する賛否は別にして、
「思考停止」にだけは陥らないようにしなければならないと
深く自戒した次第です。