今日は久しぶりに「硬派」の日記です。
日経平均株価は、中国景気の減速懸念などを背景に続落しています。
そんな状況のなかで、
今日20日の日経新聞「経済教室」に掲載された
『中国経済の行方㊥〜国有企業の非効率性弊害』を読むと、
日本の市場経済の現状に対する理解も進みます。
この論考で、富士通総研主席研究員の方は、
中国経済の最大の問題は、国有銀行や国有企業など国有セクターの非効率性であり、
国有企業は基幹産業のほとんどを支配しているため、
その改革を断行せずに、経済の持続的発展を実現することはできないであろう、
と指摘されています。
具体的には、次の記述が中国経済の現状の分かりやすい解説になっていて、
とても勉強になりました。
『中国経済が大きく落ち込んでいる原因は、
けん引するエンジンの弱体化にある。
主要産業の過剰設備問題は景気循環によるものではなく、
李首相が進めようとする構造転換が遅れた結果引き起こされた。
すなわち個人消費が伸び悩む中で、
政府は設備投資を促進することで経済成長率目標を達成しようとするから、
過剰設備が生まれている。
その中で、銀行融資の増加は、企業の競争力の強化に寄与しておらず、
不動産バブルと株式バブルをもたらしている。
金融市場に流動性は十分提供されても、
民間企業はイノベーション(技術革新)に取り組む意欲が弱い。
そもそも国有企業が市場を独占し
知的財産権がきちんと保護されていないことが、
民間企業のイノベーション意欲の弱さの背景にある。』
う〜む、なるほど…。
今や、上海株価指数など中国経済の状況に連関して、
日経平均株価が大きく変動する時代です。
そういう意味では、実体経済についても、
グローバルな視点を持つことの大切さを気づかせてくれた
今日の「経済教室」でした。