気になる記事がありました。
まず、昨日2日の産経新聞「正論」では、
作家の堺屋太一さんが次のように述べられていました。
『現在の日本社会の最大の危機は、
社会の循環を促す社会構造と若者層の人生想像力の欠如、
つまり「やる気なし」である。
「欲ない、夢ない、やる気ない」の「3Yない社会」こそ、
現代日本の最大の危機である。』
具体的には、堺屋さんは、
・若者の間に物欲の低下が広がっていること
・最近の若者には「未来への夢」が乏しいこと
・40歳にして一度も結婚を経験していない男性が急増していること
を指摘されていました。
しかし、果たしてそうなのでしょうか?
NHKが昨年末に、全国の18歳・19歳を対象に行った
政治と社会に関する若者意識調査によると、
「あなたには、実現したい夢がありますか。」という問いに
79.3%が「ある」と回答、
また、「努力しても報われない社会だ」という問いに対し、
「どちらかといえば」も含めて63.3%が「そうは思わない」」と回答しています。
それよりもむしろ、この調査で私が気になったのは、
「あなたは、日本の将来は明るいと思いますか。」という問いに対し、
「思わない」が60.9%と回答、
また、「日本の所得格差は大きすぎる」という問いに対し、
「どちらかといえば」を含めて73.3%が「そう思う」と回答していることです。
今日3日の産経新聞「産経抄」には、波乱の米国大統領選挙に関し、
『政治経験のないトランプ氏の人気は、既成の政治への不満の反映であり、
大衆の本音をずばり口にするポピュリズムにある。
富裕層に対する不公平感など、
米国民にやり場のない不満があることも無視できない。』と書かれていましたし、
日経新聞「ニュース複眼」には、
『現状への怒りや不満、失望に塗り込められた「不機嫌な米国」』
という表現がありました。
日本も米国同じように、若者を中心に「不機嫌な国」になっていないか心配です。