しんちゃんの老いじたく日記

昭和30年生まれ。愛媛県伊予郡松前町出身の元地方公務員です。

人物眼と先見性

日経新聞に連載中の福澤武・三菱地所名誉顧問の「私の履歴書」を

毎日楽しみに読んでいます。

昨日18日、第17回目のタイトルは「就職の壁」でした。

 

ほとんどの企業が、

結核既往症がある者は不可」、「試験を受けられるのは3浪まで」を

新卒募集の条件としているなかで、

療養生活で同級生より6年も遅れている福澤さんは、

入社試験を受けることさえできなかったのですが、

唯一門戸を開いてくれたのが三菱地所だったそうです。

 

後に三菱地所の社長になる総務部長の中田乙一さんが

入社試験の面接官のお一人で、

その中田さんは、生前に次のように述べられていたとのことでした。

 

『福澤の採用は迷った。

 しかし、彼は闘病生活に打ち勝ち、自分で勉強して大学を出た。

 こういう奴もいていいかな、と思って決めた。』

 

う~む、すばらしい……。

後から社長になる当時28歳の福澤さんを採用したのですから、

三菱地所の懐の深い社風と

中田さんの「人物眼」と「先見性」に脱帽してしまいます。

 

それにもまして素晴らしいのは、

長期にわたる結核の療養生活に挫けることなく、

読書などの自己啓発に取り組んできた福澤さんの

「精神力」と「忍耐力」ではないかと思います。

まさに、先日この日記で紹介した『さよなら、オレンジ』に登場する

「Patience」と「Perseverance」の世界ですよね……。

 

「人生には無駄な時間はない」ことを、

福澤さんの「私の履歴書」に教えていただいている毎日です。