以前、この日記に書きましたが、
私は眠りにつくのはそんなに苦労しないタイプです。
一方で、年を取ったせいか、夜中にトイレに起きたり、
早期に覚醒してそのまま眠れないことが続くようになっています。
「睡眠時間を最低何時間かは確保しなければならない」といった法則は
ないように思っていますが、それでもその時間が5時間や6時間を切ってしまうと、
さすがに身体のことが心配になります。
こんなことを考えていると、今日15日の日経新聞「こころの健康学」で、
認知行動療法研修開発センターの大野裕さんが、次のように述べられていました。
『睡眠には、疲れを取り次に備えるという意味合いがある。
睡眠は、いつ眠っているかやどのくらい眠れているかではなく、
起きている時間帯にどれだけ活動できるエネルギーが残っているかが大切だ。
なぜこのようなことを書いているかというと、本来の睡眠の意味を忘れて、規則正し
く眠らなくてはならないといった考えや、
ゆっくり時間を取って眠らないといけないといった考えに縛られ、
つらい気持ちになっている人がいるからだ。』
う~む、なるほど……。(まるで私のことを言っているみたい)
睡眠の本来の目的は、心身の疲れを取ることにあるのですね。
私の場合は、「翌日に疲れが残る」というほどではないので、
大野さんの解説を読んで、ちょぴり安心しました。
眠りといえば、スイスの哲学者ヒルティは、
一昨日のこの日記で紹介した『眠られぬ夜のために』(岩波文庫)で、
「眠られぬ夜は、人生最上の宝を手に入れるために
軽んじてはならない貴重な機会である」、
「眠られぬ夜に、自分の生涯の決定的な洞察や決断を見いだした人は多く、
この場合、眠られぬ夜は「神の賜物」と見なすことができる」と語っています。
私のような凡人は、なかなかこの境地に達することができません。