今月24日付けの「溜池通信」を読むと、
「かんべえ」さんが、英国国民投票の問題点と
「EUからの独立」を果たすための「作業とリスク」が分かりやすく整理されていて、
大変勉強になりました。
まず、国民投票の問題点については、次のとおり書かれていました。
①直接民主主義と言えば耳触りはいいが、
国民投票を必要とするようなアジェンダはそもそもがポピュリスト的である。
普通の間接民主主義では通りにくく、
人々の感情を刺激するようなテーマが選ばれやすい。
②国民投票に懸けられるような問題は、そもそも国論を二分しやすい性質がある。
得てして結果は僅差になる。
その場は収まっても、近い将来に蒸し返される恐れがある。
③国民投票は癖になるし、真似されやすい。
う~む……、これはまるで
そっくりではありませんか……。
次に、「EUからの独立」を果たすための作業とリスクは、
次のとおり整理されていました。
①英国経済の悪化、ポンド、ユーロの急落、インフレ率上昇
②EU理事会との交渉開始。欧州各国との新たな貿易協定の締結
③在英企業の海外脱出。特にインフラ関係の製造業(鉄道、原子力)の大陸移転
⑤他国でも国民投票が頻発し、EU離脱の「ドミノ現象」が起きる可能性
「かんべえ」さんのご指摘のとおり、「ノー」という意思表示は一瞬ですが、
これから英国が乗り越えていかなければならない難題は、
こんなにもたくさんあるんですね。思わず「めまい」がしてしまいそうです……。
そして、今日の報道によると、
EUからの離脱を決めた英国民の間では戸惑いが広がっていて、
テレビ番組では、離脱へ投票したことを
「後悔している」と告白する有権者が続出しているそうです。
英国にも「後悔先に立たず」という「ことわざ」はあるのでしょうか……?