国の借金である日本国債。
積もり積もった残高は2016年度末で838兆円に達し、
この借金のツケは、いつか子や孫の世代が払うことになります。
その「日本国債」に関し、企業買収・再生を描いた小説「ハゲタカ」の著者、
作家の真山仁さんへインタビュー記事が、日経新聞電子版に掲載されていました。
特に印象に残ったのは、次のようなQ&Aでした。
Q:日銀が大量に国債を買い入れ、資金を市場に供給する異次元の金融緩和政策が
20133年から続いています。どう評価していますか。
A:景気が良くなったと言われてもみんながボーナスでモノを買わないのは、
「ボーナス増はいつまで続くの?」と思っているからだ。景気を信用していない。
会社員はお金の動きだけで成長を見せられても
「商品が売れていないのになぜ利益が出たんだろう」と実感が持てない。
A:株価が上がっても自力で上がり続けるかはすごく懐疑的だった。
日銀が国債を買うのはドーピングのようなもの。
本当は体力がないのに、注射を打ってもらって
「今日もがんばろう」と言っているかわいそうな国が強いわけがない。
Q:今の日本の経済をどうみていますか。
A:借金まみれであることをおかしいと思わないといけないのに、
この国は何十年も生きてこられたから来年も大丈夫だと思っている。
共働きで年収1000万円の家庭が、
夫がリストラされて年収が500万円になれば普通は身の丈にあった収支にする。
夫が「それでも1000万円使いたい」と言ったら出て行けと言われるだろう。
1000万円使って余裕で口笛を吹いているのがこの国だ。
Q:国民含めて日本の財政について
みんなが真剣に考えるようになるにはどうすればよいのでしょうか。
A:危機感をもっと見せないといけない。
日本は政治はお上がやればいいとまだ思っている。
危機感を見せようと思って小説を書いているが、
一作家が本を出しても効果が弱い。
重要なのは若い人に「あなたの未来はこうなるけどいいの?」ということを
どう分かってもらうのか。
難しい話を「あなたの問題です」と見せないといけない。
小説を読んでもらって、せめて提案はしていきたい。
う~む……、金融緩和は「ドーピングのようなもの」ですか…。
真山さんらしい、お上手な表現ですね。
また、この国の経済の現況を「1000万円使って余裕で口笛を吹いている」
と表現されていることにも大いに納得しました。
このままだと私は、孫娘から「食い逃げ世代」と批判されそうです…。